文武両道は、不可能。
文武両道は、難しい。
文武両道は、無理。
「文武両道」と聞くと、拒絶反応を示す人が多いようです。
その理由には「文武両道は、一部の天才にしかできない」「文武両道には、才能が必要」といった「必ずしも全ての人にできる訳ではない」という主張が並びます。
たしかに気持ちはわかりますが、果たして文武両道は、本当に不可能なことなのでしょうか?
工夫次第でどうにか実現可能には、できないのでしょうか?
本記事では、文武両道の本当の意味を明らかにしていくとともに、文武両道ができない人の特徴、文武両道を実現するために大切な考え方についてまとめます。
・文武両道の本当の意味
・文武両道ができない人の特徴
・文武両道を実現するために大切な考え方
本記事が、文武両道を目指すためのヒントになればと思います。
■生き方の参考になる5冊
・嫌われる勇気
・西村博之 1%の努力
・スタンフォードの自分を変える教室
・夢をかなえるゾウ
・未来をつくるキャリアの授業
■関連記事
・【脱却】負け癖を克服して勝ち癖をつける方法【人生、負け癖だけはつけるな】
・地道にコツコツ努力はムダなのか?【仕事・貯金・人生】
・【ゲーム化】人生をゲーム (RPG) 感覚でレベル上げすると成功する理由
【はじめに】文武両道 (ぶんぶりょうどう)とは?
文武両道 (ぶんぶりょうどう)とは、「文=学問 (勉強)」と「武=部活動 (スポーツ)」が両立できている状態、あるいは両方が優れてていること。
「ぶんぶりょうどう」と読みます。
■使い方
【例文】彼は、勉強もできて成績優秀、スポーツでも結果を出していて、まさに文武両道だ。
「文」の領域としては、勉強だけでなく、絵画や音楽、書道 (習字)、作文、俳句・短歌・和歌なども含まれるでしょう。
「武」の領域としては、剣道・柔道・弓道・空手など、いわゆる「武道」だけでなく、広くスポーツ全般のことを指します。
英語では「A well-rounded student」と訳します。
well-rounded=円満な。英語に文武両道の比喩表現はなく、他の言い方としては、He is good at both studies and sports. (勉強もスポーツも素晴らしい) と訳す。
似たような意味の類語には、左文右武 (さぶんゆうぶ)、文事武備 (ぶんじぶび)、文武兼備 (ぶんぶけんび)、緯武経文 (いぶけいぶん)、文武二道 (ぶんぶにどう)などがあります。
(漢検に出てきそうw)
■文武両道の類語
・左文右武 (さぶんゆうぶ)
・文事武備 (ぶんじぶび)
・文武兼備 (ぶんぶけんび)
・緯武経文 (いぶけいぶん)
・文武二道 (ぶんぶにどう)
※ どれもこれも似たような文字面してますね (笑)
文武両道の起源は古く、紀元前・中国前漢時代に書かれた「史記」の「文事ある者は必ず武備あり」という記載にまで遡 (さかのぼ) ります。
日本国内においては源頼朝の鎌倉幕府から明治維新に至るまでの武家政権が起源となります。
武士は戦に備えて武道をきわめていただけでなく、政 (まつりごと) を執る者として、文事も修めておかなくてはなりませんでした。
武士社会においては、「文」「武」両道あってこその「武士道」だったのです。
江戸時代初期の学者・中江藤樹も
文と武は元来一徳であって、分かつことができない。したがって、武なき文、文なき武は共に真実の文ではなく、武でもない。
という言葉を残しています。
文武両道の具体例として、「文」の領域においては、勉強の成績が優秀なこと、芸術の分野において素晴らしい作品を残していること (コンクール、発表会など)。
「武」の領域においては、スポーツの大会などでいい成績を修めていたり、能力が秀でていること等です。
文武両道が話題にあがる場面としては、学校教育の現場や、企業の採用試験のシチュエーションです。
文武両道を目指し、文武両道を校風としている中学・高校 (特に、自称進学校←あるあるかな?) は多く、就活面接時のガクチカ (学生時代がんばったこと)や自己PRの場面でも、求められることがあります。
はたまた、小さい頃から親に文武両道を求められている家庭もあるでしょう。文武両道を座右の銘にしている人もいます。
言葉の意味からも分かるように、総じて「目指すべき状態」という意味合いで使われます。
私の出身高校でも、生徒に向けたスローガンとなっていました ←自称進学校あるある?笑
【前提】文武両道はカンタンじゃなく、難しい
本記事の目的は、文武両道を実現することですが、大前提として「文武両道は難しい」ということを先に言っておきます。
文武両道は、理想形です。誰でもカンタンに何も意識しなくてもできる類のものではありません。
というのも、秀でているかそうでないかという時点で「誰かとの比較」となり、いわば「競争」をしなくてはなりません。
競争に勝つことは、カンタンなことはありません。
しかし、そうはいっても評価してもらうためには、競争において優位なポジションにいなくてはいけません。
小中学校、高校・大学、会社。いろいろな場面で、私たちは他人との比較の中で生きています。
Aさんは、〇〇が得意。
Bさんは、△△もできない…
Cさんは、□□も☆☆もできて超スゴイ!
等々。
人間社会は、本質的には競争社会なのです。
以上を踏まえて、文武両道を実現するためのステップに進みましょう。
文武両道ができない人の特徴
まず、文武両道が「できない人」と「できる人」を比較して、文武両道を実現するために大切なエッセンス (要素) を洗い出していきましょう。
■文武両道ができる人
・「文」と「武」両方の才能がある
・文武両道を実現するために、努力をしている
・要領がよく、飲み込みが速い
■文武両道ができない人
・「文」と「武」いずれか、または両方の才能がない
・文武両道を実現するための、努力をしない
・要領がわるく、飲み込みが遅い
簡単に言えば上記のような違いとなりますが、今回の議論において大事なことは「才能」だとか「要領のよさ」ではなくて「組織の中で、自分がどのポジションにいるのか見極めること」です。
すなわち、自己分析です。
大げさに言えば、才能や要領のよさがなくても、自己分析が適切にできていれば、文武両道は実現可能となります。
文武両道を実現するために大切な考え方
先述しましたが、人間社会は本質的には競争社会なので、絶えず「他社との比較」のもとに成り立っています。
つまりは、相対評価。
文武両道ができているかそうでないかは「組織の中で自分がどのポジションにいるか」によって決まるということです。
例えば、プロ野球選手を毎年何人も輩出するような学校では、どんなに野球をがんばってもよほどの才能がなければ「野球ができる」とは認めてもらえません。(つまり「武」は修めていない認定となる)
しかし、もし周囲が野球の練習ばかりの毎日で勉強がほとんどできない環境にいるとすれば、少し勉強ができただけで、成績優秀というポジションを確保できます。
つまりは「自分のいる組織の中で「文」「武」の何を磨くことができるか」が大切になってくる訳です。
さらに、組織の中で「価値のあるモノ」に気がつくことができたら、尚よしでしょう。
何でもできることが必ずしも求められている訳ではありません。むしろ、不必要な部分もあるんです。
以上踏まえ、最後に「文武両道を実現するにあたって大切な2ポイント」をまとめます。
・「二兎を追う者は一兎をも得ず」に要注意!
・組織だけでなく「時代の流れ」にも目を向けること
「二兎を追う者は一兎をも得ず」に要注意!
文武両道の要注意ポイントとして「二兎を追う者は一兎をも得ず」の状態があげられます。
両道を目指すあまり、どちらも中途半端な仕上がりになってしまう状態のことです。
これは本当によくあることで、大切にしなくてはいけないのが「バランス感覚」です。
とくに日本社会は、どちらかと言えば「強みを伸ばす」より「弱点を克服する」ことに価値がおかれているので、バランスタイプの方が得をします。
「自分は人の下では働かない。企業するんだ!」という人は別ですが、少なくとも、会社員をするのであれば、何かの能力に抜きん出ているというよりは、全て漫勉なくバランスが取れている状態の方が望ましいと言わざるを得ません。
バランス感覚は、大切にしてください。
組織だけでなく「時代の流れ」にも目を向けること
組織の中で大切にされるモノが変化していくように「時代の流れ」に伴って、大切にされるモノは変化します。
今後、数十年のポイントは、間違いなく「IT」です。
2000年から2020年までの20年間は、ITの発展期といってもいいくらいで、まだまだ序の口。本格的なIT化が進むのが、これからの数十年です。
具体的に言えば、一昔前であれば「作業が速い」「仕事が速い」と言ったように、定型業務を高速で処理するような人材が重宝されましたが、今となってはそれらの仕事はITの力で代替可能になってきています。
それによって、求められる人材も「手が速い」ことよりも「専門性を兼ね備えている」ことだったり、「クリエイティブな発想ができる」ことが求めれるようになってきています。
こういった流れは、ますます加速していくことでしょう。
そういった「時代の求める人物像」も、意識しながら生活するようにしてください。
【さいごに】文武両道のメリットは「視野が広がること」
今更感はありますが、さいごに文武両道のメリットをあげるなら「視野が広がること」です。
「文」と「武」両方に注目するのですから、文と武どちらか一辺倒な人に比べれば、どちらにも感度を高く、アンテナを張っている人間の方が守備範囲が広くなります。
文武両道とはいっても、文の中から何か一つ、武の中から何か一つで成果を出せばいいので、肩の力を抜いて、自分には何ができるのかを考えていってもらえたら幸いです。
【おまけ】社会人って、文武両道してなくない?
たしかに、学生時代に比べると「武」の方の比重がおそろしく小さくなっています。むしろ、ゼロなんじゃないかというくらいに (笑)
しかしそれも「組織の中でなにが大切なのか」によって説明することができます。
言ってしまえば、社会人においては「会社に利益をもたらすこと」が大切とされているので、必然的に「文」の比重が大きくなる訳です。
肉体的に優れていることよりも、知識や経験があり、論理的にものごとを考えられる人の方が優遇されます。
くり返しになりますが、社会人になると求められる能力は「文」に寄るということです。
その一方で、依然として運動のできる社会人はモテますよ。
社会人になってから、まるで運動をしなくなる人は多いので、そんな中でカラダを動かして健康的な肉体・生き生きと毎日を過ごしている人は、魅力的に映ります。
そこも、先述の「相対評価」をベースにしてポジショニングを行っていけばいいと思います。
■生き方の参考になる5冊
・嫌われる勇気
・西村博之 1%の努力
・スタンフォードの自分を変える教室
・夢をかなえるゾウ
・未来をつくるキャリアの授業
■関連記事
・【脱却】負け癖を克服して勝ち癖をつける方法【人生、負け癖だけはつけるな】
・地道にコツコツ努力はムダなのか?【仕事・貯金・人生】
・【ゲーム化】人生をゲーム (RPG) 感覚でレベル上げすると成功する理由