阿吽 (あうん) の呼吸とは、2人以上がある一つの何かをする時に絶妙なコンビネーションによって巧みに間合いを掴むこと」を表します。
元々は、仏教用語で「始まりを表す阿 (あ) と終わりを表す吽 (うん)の対比」からで「万物の始まりと終わり」を表していましたが、神社の狛犬やシーサー、金剛力士像など、一対でペアになる様子から「息がぴったり合う」という意味を表すようになりました。
現在では「言わなくても分かり合えること」「言葉にせずとも通じ合っていること」という意味で使われています。
また「以心伝心」「暗黙の了解」とも近い意味で使われます。
一般的には
部下に阿吽の呼吸を求めるな!
仕事に阿吽の呼吸を求めると失敗する
というように、「仕事に持ち込むのはよくない」という文脈で使われる「阿吽(あうん)の呼吸」ですが、実際のところ「仕事力」に直結するところがあるので、本記事ではあえて「阿吽の呼吸」の重要性について説いていきます。
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日本の企業はそこまでシステム化されていない
理想的な就業体制は、業務内容がシステマチックに整備されていて、成果物を作成する基準が誰の目にも明確に定義されている状態です。
それは、管理システム、基幹システムが視覚的にシンプルで、承認フローや手続きが複雑でないこと。業務マニュアルが用意されているだけでなく、誰が見ても一読して理解できるくらい分かりやすいこと。
しかしながら、日本ではまだまだ業務のシステマチック化が進んでおらず、個人の感覚によって都度都度、判断されているケースが多いです。
フォーマット、書式なんてものは、あらかじめ決めておいて全てのケースで定型通りにすればいいのですが、実際の現場においてはそうもいかず、各人がそれぞれの独自性を発揮して、都度違った形式で成果物を残しています。
仕事とは「他人と協力すること」
自分1人で解決できる仕事は、恐ろしくまでに少ないです。
そのため、各所に担当を立て、
商流が上流になればなるほど、決済権者との調整事項や、実際に手を動かす作業チームとの調整事項が増えます。
上流工程の仕事
仕事の責任範囲、調達範囲、契約価格、担当などを決め、契約に記載ある事項が適切に遂行され、求められる成果物が期間内に十分な品質でアウトプットされるように務めこと。
下流工程の仕事
上流工程で確定された仕事を遂行する
エスカレーションなく終われる仕事はほとんどない
背景や意味含めて的確に指示できる人は少ない
それは下っ端の社員から、
自分の頭の中にあるイメージを損ねることなく、他人に伝えきるのは簡単ではありません。
伝わっていないことにイライラする人も多い
自分の否は認めたくないですから、多くは「部下の理解力不足」で処理されます。
上司の意図を忖度したり、想像力を働かせて理解しようとする力
イメージに近いほど「〇〇は分かっている。仕事ができる!」となり、遠いほど「いちいち事細かに説明しないと理解できない、めんどくさい奴」という烙印を押されてしまいます。
会社では阿吽の呼吸で仲間を増やせ
会社には色々な人がいて、さまざまな意思が介在しています。
自分が思った通りに事が進むことなどほとんどなく、誰かと双方の利益の狭間で妥協することによって、物事が前に進みます。
このとき大事になってくるのが仲間を作れているかで、妥協しようにも自分の思惑に賛同してもらえないようでは、進めたい方向に進むどころか、邪魔されたりすることさえあります。
ですから、妥協する力と仲間を作る力が求められます。
正しいことを言っていれば、それが遂行されるとは限りません。
正論は正しいですが、現実に実現できるかはまた別の議論なのです。
事業を遂行するのは人間なので、やる気が出なければやりませんし、賛同できなくてもやりません。
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