【厳選】買ってよかったビジネス本リスト

20代は「引っ越し貧乏」でいい理由【貯金より経験を】

 

 

「引っ越し貧乏」というコトバがあります。

文字通り、引っ越しをして貧乏になる人のことを指します。

なぜ貧乏になるのかというと、短期間のうちに引っ越しをくり返すと、その都度、もといた物件の退去費やカギ交換費、新しい物件の礼金・仲介手数料がかかってしまうため、同じ物件に住み続けている人に比べて、余分にお金がかかってしまうワケです。

住んでいる物件の家賃相場によりますが、金額にすると、1回の引っ越し当たり、20万~40万くらいはかかる計算です。

●礼金:家賃1ヶ月分
●仲介手数料:家賃0.5~1ヶ月分
●カギ交換費、火災保険等:5万~7万

賃貸の更新はだいたい2年ごとなので、そのタイミングで引っ越すのであれば、ロスは少なくて済みますが、住み始めて1年以内に次の物件に引っ越すと、違約金 (だいたい家賃1ヶ月分) など取られることになるので、さらに家計を圧迫します。

上記の理由から、引っ越し貧乏に陥るため、一般的には、短期で引っ越しをくり返すのは推奨されない行為となりますが、私個人としては、こと20代に関してはそうは思いません。

むしろ、コロコロ住居を変えるのはいいことであるとさえ思います。

それは、なぜか?

本記事で、解説していきます。

20代は「引っ越し貧乏」でいい理由

結論からいえば「いろいろな物件に住んだ経験を獲得できるから」です。

この経験、どこで生きてくるかと言えば「結婚後の夫婦の暮らし」です。

一人暮らしであれば、自分のしたいタイミングでカンタンに引っ越せますが、結婚をすると住まいは夫婦の共有物となるため、パートナーの同意なしには引っ越せません。

2人で暮らしていくとなると、物件の好き・嫌い、飽きた・飽きてない以外に、お互いの勤め先までの距離・ワークスタイル (リモートと出勤の比率) が重要な判断基準になってくるので、そう簡単にはポンポンと住まいを変えることはできなくなります。

お互いの趣味・趣向に合う物件を探すのもカンタンではありません。(試しに、物件の判断基準となるポイントを列挙します。)

・家賃
・広さ(敷地面積・畳数)
・間取り(部屋の数)
・向き(東西南北)
・階数(エレベーターの有無も含めて)
・風呂、トイレが別か否か
・キッチン設備の充実度
・最寄り駅
・駅からの徒歩距離
・周辺設備(スーパー、コンビニ、カフェ、その他)

優先順位高めとなりやすいのは「家賃」「広さ」「間取り」でしょうが、その他のポイントも各人がこだわりを発揮する可能性を多分に含んでいます。

両者の主張を満たした物件を見つけたとしても、いざ引っ越していみると「なんか、違った…」となる可能性もあるため、容易に判断できません。

(一人暮らしだったら「もう一回引っ越しすっか!」となりますが、二人暮らしだと中々次も見つからないものです。)

 

さらに、子どもが生まれようものなら、いよいよ定住も視野に入れていかなくてはいけない段階に入り始めます。

転勤族でなければ、住まいは固定した方が子どものためにいいでしょう。転校を伴う引っ越しをしてしまうと、子どもは新しい友達を一から作らなくてはいけないので大変です。

(大人とちがって、友達と仕事上の付き合いで接するワケではないので、逐一新しい環境に飛び込まなくてはいけないとなると、けっこうしんどいでしょう。)

つまり、30代、40代ともなれば、どこかに定住しなくてはいけなくなるのです。若い頃とちがって、安定しなくてはいけなくなるタイミングが訪れるのです。

場合によっては、賃貸ではなく、ローンを組んで物件を購入することもあるでしょう。

そうともなれば、物件選びで間違えることはできなくなります。「住んでみて合わなかったら、別のにすればいいや!」が通じなくなります。

ところが、若いうちに複数の物件を見ておかないと、自分に合った物件の特徴が分からないので、定住するための住まい選びが上手くいかない可能性が高まります。

判断の材料が乏しいので、どういう物件に住んだら、自分は幸せになれるのか。どの条件は譲れないのか。その辺りが、さっぱり分かりません。

そういった状態は、非常にまずいワケです。

ローンを組んで購入した物件で間違えると、数十万の引っ越し費用だけでは済まないレベルの損失となります。

最後の物件選びだけは、致命的なミスだけはできない訳です。

そこで大事になってくるのが、若い頃の経験。快適だった住まい、イマイチだった住まい、どちらも経験済みだと心強いでしょう。

ルームシェアして、誰かと二人で住んだ経験や、異性と同棲した経験があると、なおよいでしょう。

35才で定住地を決めたとしたら、先々25年、30年、あるいはそれ以上もあるのです。

であるからして、20代の数十万なんてお金は比較にならないほど、大きな選択となります。

人生の幸福度は「住む場所」「住む人」によって多くが決まるので、一世一代の選択となります。

そう考えれば、20代の内によりたくさんの住まいを経験して、万事に備えるべきだということが分かるでしょう。

20代は、引っ越し貧乏になったとしても、色々な物件を経験してみるべきです。

20代引っ越しのポイント

複数の住まいを経験することで、以下について思考を巡らせていきたいところです。

・日々の生活において、重要なポイントを見つける
・仕事・プライベート両面で、住まいが果たす役割を明確にする
・別に気にならない (譲れる) ポイントを明確にする
・これだけは譲れない (ゼッタイ必要な) ポイントを明確にする

上記プラス、誰かとの共同生活 (同性でのルームシェア or 異性との同棲) は経験しておきたいです。

巷では「結婚するまで、家族以外の誰かと一緒に暮らしたことなんてなかった」という意見を聞きますが、かなりの大博打なので控えたいところです。

最低でも、結婚相手とは正式に婚約する前に、一緒に住んでおくべきです。それによって、いい点・わるい点明るみになるので、調整可能かそうでないのかを考えましょう。

(調整可能なら、そのままゴールインすればいいし、調整不可なら、残念ながら縁がなかったということです。)

【おまけ】職住近接することで、出世につながる可能性UP

職住近接とは、勤め先の職場の近くに住むことです。

これによって、通勤時間が削減され、仕事にかけられる時間が増大。引いては、出世につながる可能性さえUPします。

(一概にそうとは言えませんが、仕事に打ち込んでいる (かけられるリソースが大きい) 人ほど、出世しています。

コロナ禍のリモートワークがどれほど浸透するかは不明ですが、完全リモートの会社はトータル多くはないので、職住近接に一定の効果はありそうです。

出世して給料が上がれば、家計は安泰。若い内は、少々家賃が高かったとしても、通勤時間の削減に努めた方がよさそうです。

そういった視点からも、異動・転職のたび、引っ越しするのは悪いことではなさそうです。