「指示待ち人間」と聞くと、悪い意味で使われます。
指示待ち人間で、自分で考えられない。
指示待ちばかりで、自分から動かない。
など、当事者意識や主体性が欠如しており、自ら創意工夫をして動かない人のことを指します。
しかし、企業において指示待ち人間はそんなに悪いことなのでしょうか?
企業においては、上からの指示に従って、案件を回していくのがむしろ自然で、そうだとすれば指示待ち人間の方が合理的なのではないでしょうか?
本記事では、指示待ち人間の可否についてまとめます。
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・嫌われる勇気
反・指示待ち人間は、マネジメントを放棄した上司の怠慢
「指示を待たず、自ら考えて行動する人材」といえば聞こえがいいですが、指示を出さないって上司としては相当職務を放棄していますよね。
ライン職であれば、部下のマネジメントをするのが仕事ですから、職務怠慢もいいところです。(もちろん、ライン職といえば、案件対応に追われて忙しいことは重々承知の上ですが、)
人を育てて協力してもらおうという気はないですか?
ビジネスはできるだけ「ムダ」を省くものでしょ?
ふだんお客さんへの提案には「出戻りによるロス」を懸念点として提示する割に、社内では出戻りだらけってことよくあります。
「自分で考えろ」→ 考えて行動する →「ちがう!」→「どこが違うんでしょうか?」→「自分で考えろ」
「自分でやれ」「勝手に動くな」のくり返し
このくり返しによって、膨大な時間が失われていきます。
部下も分からないから聞いているのに「自分で考えろ」といって突き返すなんて、なんとも不親切ですし、非効率です。
第一、聞かずとも分かるものは、自ら考えて行動して、報告は結果報告になる訳です。(部下もそこまでバカじゃない、)
結局、上司の描くモノを作るんです
会社の業務って、突き詰めていくと「役員がやりたいことを具現化する仕事」です。
部下からの意見を聞く・聞かないは置いといて、決裁権があるのが役員なのですから、結局、役員の決定次第なんです。
どんなによく練られたアイデアでも役員が首を縦に振らなければ、事業化されることもありません。
だから、立場が上にある人間がやりたいことを誰にでも分かりやすく端的に伝達できると、スムーズに案件は進んでいきます。
しかし、ここをおろそかにすると、部下の工数がものすごく増えます。
さらには、部下の仕事へのモチベーションにも影響します。
新人・中途社員は右も左もわからない
ベテランメンバーと新米の差は、膨大な経験年数です。
20年プレイヤーと2年プレイヤーには、18年という膨大な時間が差としてあります。
これだけの時間を「理解力」だけでカバーするのは、無理があります。
(今から、18年時間が用意されていると考えたら、たいていのことは容易ですよね。生まれたての赤ちゃんが高校卒業するまでの時間があります。)
・お客さん情報に対する知識(案件理解)
・業界知識(技術的内容)
・社内のシステム・制度面の知識(自社理解)
この3つのどれをとっても、来たばかりの人間にとっては意味不明です。
まともな説明なしに「理解力」だけで自分のものにするなんて、至難の業です。
足りないのは「経験」だけ
別に「物分かりが悪いから」とか「容量がわるい」とかそういう問題ではなく、単純に「見聞きしたことがなく、初見だから何がなんだか分からないだけ」です。
きちんと教えてもらえば、次からは同じように処理できるんです。
そこを「自分で考えて行動すれば、わかる」と強行突破するのは、意味がわかりません。
後輩ができるようになると上司が困る?
ケースによっては、わざと分かりにくくして理解を遅らせていることもあるでしょう。
上司からすれば「やっぱり〇〇さんがいないとダメですな!」という立ち位置はおいしいですから、わざと分かりにくいオーダーをして、ろくすっぽ指示もせず、失敗させるということは上司の株を上げます。
だから丁寧に教えないのかな?
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