「天は二物を与えず」とは「天は一人の人間にいくつもの長所や才能を与えたりはしない」という意味のことわざで、英語では「God does not give two gifts. = 神は2つの才能を与えず」と言います。
多くは
ある長所をもつ人は別の短所があって、トータルでは変わらない。だから、がんばろう!
という文脈で使われますが、ほんとうに天は二物を与えないのでしょうか?
それどころか、二物も三物も与えてはいないでしょうか。筆者としては懐疑的で、このことわざを信用していません。
本記事では、天が与える二物・三物のリアルをお伝えするとともに、一物しか与えられなかった場合の向き合い方について検討していきます。
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「天は二物を与えず」という大嘘
周りを見回してみればよくわかるように、天は二物も三物も一人の人間に与えます。
イケメンのくせに、スポーツも勉強もできて、あげくの果てには実家がお金持ちなんてこと、ザラにありますよね?(四物の例)
世の中、そんなに平等にはできていません。
天が与える「物」には何があるか
では、天が与える物には何があるのでしょうか?
少し見ていきましょう。
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【天が与える物】
①顔
:男女問わず、顔面偏差値が高い人は、めちゃめちゃ得をします。
ハロー効果によって、美男美女は何にたいしても印象がよくなりますので、相当な格差を見せつけられることでしょう。
※ハロー効果:ある対象を評価するとき、目立つ何かに評価がつられること。
(例) 顔がカッコいい人は優しいと「やっぱりイケメンはやさしい」となること
②才能
:才能には、(1) スポーツの才能と (2) 勉強の才能があります。
(1) スポーツの才能
>運動神経のよさです。目で見た動きをイメージ通りにできるかと、ほぼ同義です。
(2) 勉強の才能
>頭のよさです。即座に本質が見えたり、一度覚えたものを簡単には忘れないなどです。
③スタイル
:身長と体重に分けられますが、総じてスタイルの良さで整理できます。
体重はダイエットをすれば調整が不可能ではないことから、身長の方が評価されやすいです。
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一物しか与えられなかった人はどうすればいいか
黙って受け入れるしかない訳ですが、ここで重要になってくるのは「自己観察」です。
一物しか与えられなかったとして、
どの能力が秀でているか、どこが弱いのか。
自身の能力値を項目ごとに細分化して、評価してみることをおすすめします。
そうすると「自分がどこで戦ったらいいか」が見えてきます。
世の中、自分の得意な土俵で戦ったもの勝ちなところがあるので「自己観察」が身を結びます。
例えば、顔もよくなければスポーツの才能もない場合でも、勉強の才能があるならそこを強みに展開していけます。
一口に勉強の才能といっても、数学が得意なのか、語学が得意なのか、はたまた暗記モノが得意なのか。得意分野は人それぞれ異なるので、どこが強いのかを認識することです。
英語が得意なら、語学力が価値となる領域にいると救われますし、数学が得意なら常日頃から数字と接する機会の多い環境が適しています。
こんな感じに、自身の強みを認識して、戦略的に生きていくことが求められます。
人生は「積み重ね」
そうして、もがいていると、三物も四物も与えられた人にはさすがに敵わないかもしれませんが、二物くらいの人なら凌駕できたりします。
積み重ねの力です。
得意分野で戦っている一物は、適当な環境で適当に戦う二物を凌駕します。
人間関係や専門知識、経験など、割と世の中「積み重ね」なので、努力点も多いに実を結ぶということを理解して、着々と積み上げていけばいいのではないでしょうか。
「相対評価」を誤らないこと
とはいっても、やっぱり「物」には敵わない場面があるので、他者と自分を冷静な目で比較することは重要です。
さらに言えば、自分の所属する組織の中で「相対評価」を適切にすることが求められます。
相対評価を適切にすることができると、自分の存在価値や必要性が、何に紐づけられているものかを理解することができます。
相対的な比較の中で「かなり強い部分」「やや強い部分」「強くも弱くもない」「やや弱い部分」「かなり弱い部分」等、「戦うべき領域」と「他人に任せるべき領域」を判断することができれば、負け戦をしなくていいので、自分を助けます。
そうすると、人生の満足度を向上されることができます。
■生き方の参考になる5冊
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